コロナ禍に入り、なかなか映画館で映画鑑賞ができていなかったのですが、ようやく見たい映画が劇場公開され、気兼ねなく足を運べるようになりました!
近頃映画レポートも全然していなかったので(誰も見てないかもしれないけど笑)久しぶりに最近見たおすすめの映画をご紹介💪
まず1つ目は、Tick, tick…Boom! という作品。
ちょっとふざけた名前ですが…
RENTというミュージカルはご存じの方も多いのではないでしょうか?
映画化もされて世界中で人気を誇る名作ロックミュージカルですが、その作曲者「ジョナサン・ラーソン」のことを描いた作品です!
そしてこのタイトルの「Tick, tick…Boom!」というのは、何を隠そう彼のミュージカル作品の1つ。
RENTの1つ前に作られたのがこの作品だそうです👏🏼
物語のあらすじとしては、30歳の誕生日を目前に控えた29歳のジョナサンが、30歳までにミュージカル界で成功したいという思いのもと焦りを感じつつ、友情や恋、いろんなことと絡み合って懸命に生きる姿が描かれる、そんな物語でした。
このタイトルは「もう少しで30歳になってしまう…」という彼の焦りをそのまま表していたんですねーおもしろい!
最初のナンバーがもう、タイトルそのまんまの音楽で(笑)非常にわかりやすい😂
ミュージカル「Tick, tick…Boom!」自体が、彼の自伝的な作品となっていて、私はこの映画しか知らなくてミュージカルを見たことがないのですが、ジョナサンの実話を描くドキュメンタリー映画なのにぴったりの音楽が挿入されて違和感なく進んでいく、というなんだか不思議な感覚でした。(笑)
彼はソンドハイム(イントゥ・ザ・ウッズなどの作曲者として知られる大ベテラン)に才能を認められ、彼の作品のプレビュー(試演会)を開催できることとなるのですが、あくまでただの発表会なのでそれ自体に収入はありません。
ただ、そこで彼の作品を認め、スポンサーになってくれる人や、上演したいという劇場が見つかれば成功の糸口となる…〈かもしれない〉。
だから彼はすべてを投げうってそこに全力で挑みます。
でも、〈かもしれない〉のためにすべてを投げうつ姿は、他人から見ると理解しにくいもの。
事実彼の恋人であるスーザンは、「試演会が終わって、何も変わらなかったら?」と厳しい言葉をかけます。
胸が痛い…ジョナサンの気持ちもスーザンの気持ちも痛いくらいわかる…他人だったら手放しで頑張れよって言えるけど、近しい人だと現実見たほうがいいよって気持ちにもなるよね😢
この映画を見て、今や「RENTの作曲者」として知られる彼の、その栄光をつかむまでの日々を知って、いろいろと考えさせられました。
私自身、ちょうど30歳の誕生日を控えた29歳のときに観たのもあって、うまくいかなくて焦る部分や、経済部分を補うために犠牲にしなきゃいけない時間とか、共感する部分がたくさんあって。
HIVで友人や、大切な人たちが亡くなっていく中で、彼はどんな思いだったろう。
そしてRENTという作品がどのようにして生まれたのか、そして、だからこそあの作品はこれだけ輝いているんだなと思わされたというか…
そしてこの作品のエモいところは、ジョナサンがRENTを作曲後、いざこの作品が上演される!というその前日に亡くなっているところなんですよね。
彼は自分が成功をつかむ待ちに待ったその瞬間、この世にいなかったんです…。
神様って本当に無慈悲だなと思う…。
いろんなテーマが胸に刺さって、とても響く作品でした。
最近見た映画だと、ラ・ラ・ランドとかちょっと近い気がするかなあ。🤔
そしてなんといっても主演のアンドリュー・ガーフィールドが素晴らしくて!
歌唱はもちろん文句なしに素晴らしいけど、その絶妙に力の抜けた自然なお芝居が、もう本人にしか見えなかったというか…
ジョナサン本人の映像も残っていますが、本当にそっくりでしたね🙄
いやーとてもいい作品でした。
そして音楽が素敵すぎたので、ちょっと次回のwe loveの候補に挙げています…💓
お楽しみに。(念のため、まだ何にも決まってません←)
そしてもう一つ…「Coda あいのうた」という作品!
これは名前を知っている人は多いのではないでしょうか…何を隠そう、今年のアカデミー賞で作品賞、脚色賞、助演男優賞を受賞した作品です!✨
この作品は受賞前からずっと気になっていたのですが、もともと配信のみの映画だったこともあって近くの劇場ではあまり公開しておらず…もうアマプラ待つしかないなーと思っていたところ!
たまたま観たTOHOシネマズのHPで上演していることを知り、時間的にも仕事終わりにダッシュすれば間に合う感じだったので、行ってきました!💪🏼
このお話は聾者の家族の中で生きる唯一聴者の少女ルビーを主人公に、その家族を描く物語。
2014年に映画化された「エール!」のリメイク作品とのことです。
そちらは私観ていないんですが、調べているとちょこちょこ設定が違うのと、今回のCodaでは聾者の役を、実際に聾者の俳優さんが演じられてる点が違うなあという感じ!
(エール!では、聴者の俳優さんが聾者を演じられていたそうです。それはそれですごい…)
これはもう、ハンカチがしっとりするほど泣きました(笑)
家業の漁業は聴者であるルビーがいないと成り立たないので、彼女は朝3時に起きて仕事を手伝いながら学校に通う目まぐるしい日々。
学校でも家族のことをバカにされて疎外感を感じている、家にいても聾者ばかりの中で疎外感を感じている、そんな彼女が唯一「生きがい」というほど好きになったのは「歌うこと」で、でもそれは聾者である家族には理解してもらえない…
どうすることもできないもどかしさ、だれも悪くないのに誰かのせいにしたくなる不甲斐なさ、全員の気持ちがわかるからいろんな人に感情移入してしまって…びっくりするくらい涙が出てきて大変だった。(笑)
ルビーを演じるエミリア・ジョーンズの歌声が本当にのびやかで、だからこそ、家族はこの声を聴けないという事実や、それよりも私は、聴いてもらえないルビーの気持ちが…やるせなくてなんかもう!←
映画館が一瞬音のない世界になったとき、思わず震えました。
この世界で彼らは生きているのか、と。
でも逆に、音は聞こえなくても、周りのひとがリズムに乗っている様子や、涙を流す様子、聴く人々の反応を見て、聾者である彼らも「聴いている」ということが目で見えて、ここでまた号泣…。
私本当に泣きすぎて変な人と思われてそう(笑)
尺も112分と2時間に満たないコンパクトな作品で、テンポ感もよくすごく見やすい。
いろんな意味でとても良い作品でした!
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