ayako in paris② 〜マスタークラス編〜


というわけでマスタークラス編です!
 
今回私が参加したのは、 ”ACADÉMIES D'ÉTÉ DU GRAND PARIS” 。
パリ国際夏季アカデミー ってやつです。
大手留学サイトなんかにも載っているので、見つけやすいと思います!
 

このアカデミー選んだのに大した理由があるわけではないですが(笑)、
1つは、オペラがなくなっての空き時間有効活用というところで、 8 中旬から 9 月頭あたりを埋めたかったので、時期的にちょうどよかったこと。

もう1つは、やはりフランスに行ってみたかったということ。
フランス語のレパートリーを多く持つ歌い手として、フランス語を母国語として話す人の発音を聞きたかったし、指導を受けたかったのです。
 
 
さて、こちらのアカデミー、会場は前記事でも触れたようにパリ郊外の vincenne の町にある、 Conservatoire de Vincennes で行われました👐🏼
パリの音楽院なんて聞いたら、どんな建物だろう … と思っていたのですが、かなり近代的な建物でちょっとびっくり!(笑)
 
特別きれいとかおしゃれとかいう所ではありませんでしたが、構造もシンプルで方向音痴な私にはありがたい学校でした。(笑)
ちなみにレッスン室には作曲所や音楽用語の名前がつけられていて、ちょっとわくわくしました! 
salle debussy とか、 salle scherzando とかね💓
 
 
さてさて!
私が参加したのは、 Mary Saint-Palais 先生のクラスでした!

コレペティの Agnes Watson 先生と二人三脚体制。
レッスン回数については行ってみないとわからない、とのことだったので、どれくらいかなあ … とどきどきしていたのですが、ふたを開けてみればまあーみっっっっちり!(笑)
 
10 : 30 ~ 12 : 30 の間のどこかには Mary か Agnes どちらかの個人レッスン( 30 分)が必ずあり、午後は 13 : 30 ~ 18 : 30 頃までぶっ通しマスタークラス(全員聴講の公開レッスン)というのが基本スタイル。なかなかハード。😂

たまに 2 人ともの個人レッスンがあってマスターはなし、という日があったり、最後の方になると私たちの疲れが見えだしたのか、マスターも途中から or 途中まででもいいよ、なんでシステムが導入されたりしました(笑)
こちらからすれば、たくさん見てもらえるのは本当にありがたい!ただ、先生の体力というか … パワフルさに脱帽🙄
前に Mestro Zedda とお仕事させていただいたときも、先生があまりに休憩を取らないのでみんなで心配したことがあったけど(笑)こちらの方は本当にパワフルでびっくりします。

 
左がコレペティのAgnes、右がMaryです!

Mary は、リュエイユ = マルメゾン地方音楽院で教授をされているソプラノ(leggero)の先生で、それはもうとってもチャーミング! エルメスのネックレスつけて(ブランドもの大好き(笑))、いかにもヴァカンス帰りなこんがり肌にビーサン履いて、体の力を抜くために生徒の体を振り回して。(笑) 
そんな先生、レッスンではよく声を聞かせてくれてとても勉強になりました~やっぱり違いを聞かせてもらえることが 1 番勉強になる。
高音の発声法なんかはとってもためになりました … 新たな発見もたくさん!
 
そして忘れちゃいけないのがコレペティの Agnes 。個人的に彼女のレッスンがとってもためになりました。
細かいフランス語のディクションはもちろん、表現の幅を広げてくれたり、ブレスやフレージングのアドバイスをくれたり … わたしが無意識に左手ばかりを動かすとか、眉間にしわを寄せたりするっていう、自分では知り得ない癖を見つけてくれたのも彼女でした(笑)
大きな方向性と土台を Mary が教えてくれて、そこに行きつく近道や知識的なエッセンスを Agnes からもらう、そんな感じでした。
 
 
ちなみにクラスはたぶん 10 人強くらい。
こっちはいろいろゆるいので、途中で増えたり減ったりもしてました(笑)
音楽院受験を控える人もいれば、初めて 1 年の初心者から、 60 歳のおばあちゃんまで(!)本当にいろんな人がいました!
そんな中で、先生からそれぞれへのアプローチの仕方が個々に違ってとても勉強になったり、アプローチは違えども結果的にみんな同じこと言われてたり。

面白かったのは、フランス人がフランス語ディクション直されてたこと!毎日しゃべっててもやっぱり歌になると事情が違うし、彼女たちにとっても難しいんだなあと。
日本人が日本歌曲難しいっていうのと同じなのかもしれないですね。
決して超ハイレベルではなかったけど、いろんなレベルの人がそれぞれに歌に対する思いを持って、それぞれのスキルアップのためにここにいる、その空気がとても好きでした✨
 
 
マスタークラス自体は 10 日間でしたが、全部合わせて 20 回弱のレッスンを受けさせてもらいました! 本当にありがたい。
だいぶ多めに見積もって持って行ったのに、曲が足りなくなったよね。(笑)
現地で追加コピーしました … 便利な世の中だわ(笑)
 

そして!
最終日にはクラスコンサートという形で小さな発表会を行いました。

せっかくだしフランスもの歌いたいな~、ということで、私は大大大好きな Debussy の ”Nuit d’etoiles” と、 Donizetti 《連隊の娘》より ”Salut a la France!” を歌いました!
フランス人の前でフランス語歌うのはだいぶハードル高かったけど(笑) 10 日間のフランス生活の甲斐あってか、ちゃんとフランス語聞こえてたみたいで、ほっ。
 
 
ヨーロッパに来て思うのは、みんなの歌う曲のレパートリーが日本と全然違うこと!流通しているオペラが違うのかな~面白い。
世の中にはまだまだ知らないオペラ、知らない曲が山のようにあるんですね。
今回も、 Mary にお願いしてお勧めの曲を教えてもらいましたが、聞いたこともない曲がたくさんありました … こういうのわくわくする!新しい曲に出会えるのって、海外マスタークラスの醍醐味の一つかも。
日本には楽譜すらないものもあるので、わかる範囲で現地調達もしてきました!
日本ではなかなかお目にかかれないDuparcの歌曲集と、Aboulkerという聞いたこともない作曲者のJe t'aimeという超楽しげなお歌の楽譜、あとは日本でも買えるけどせっかくなのでDebussyのmélodies de Jeunesseを✨
( 3 番線の Europe という駅にいくつか楽譜屋さんがありますよ~)
 
 

こんな感じで、10 日間、とっても勉強になる濃いい時間を過ごすことが出来ました!✨
社会人になってからなかなか自分で練習する時間を確保できず、週単位で歌わないときもあった中こんなに音楽付けの毎日は久しぶりで … とても刺激的で幸せな毎日でした。
疲れて足取り重くレッスンに向かう日もありましたが、レッスンが終わると不思議と元気になってるんです。歌うことが元気の源って誰かが言ってたけど、ほんとそう。
歌うことの楽しさを改めて再認識した日々でした!
Mary 、 Agnes 、そしてクラスのみんな、 Merci beaucoup!!💓
 
ちなみに …
今回 Mary クラスは私含め日本人は 2 人で、それ以外は国籍は様々なれど、全員フランス在住民でした!
つまりマスタークラスはおーるふれんち … せっかくなのに何もわからないんじゃ意味がないので、私は通訳をお願いしました👐🏼
先生たちも個人のレッスンは英語で対応してくれるけど、全体となると難しいみたいです。(ちなみに Mary はあまり英語が得意ではないようでした。)
 
参考までに!
 
 

というわけで~みっちり音楽付けな毎日を過ごしていたわけですが、持ち前の体力とフットワークの軽さを生かし、朝(レッスン前)と夜(マスタークラス後)の時間をフルに使って、たっぷり観光もしてきました!💪🏼
 
次からは観光編をいくつかに分けて書こうと思っていますので、おたのしみに〜!

Ayako Matsuura

コロラトゥーラソプラノ松浦綾子のHPです 出演情報や演奏会レポートなど 気ままに綴っています

0コメント

  • 1000 / 1000