絶望が最後ではない


先週、久しぶりに時間の空きがあって、最近不足していた映画を観に行ってきました!
 
 

ジョジョ・ラビット。
なんだかポップなポスターと、相反して第2次世界大戦のナチス政権が舞台というところに惹かれて、最近公開した映画の中で1番気になっていた1本。
もう、言葉にならないくらい素晴らしかった!✨
 
予告編もコメディー要素が多くて、なにせあの独裁者「アドルフ・ヒトラー」が、10歳のジョジョ少年の”空想上の親友”なんだというのだから、さぞユニークな作品なんだろうと期待して観たんですが…

確かに前半は笑いの要素が強い。
でも、物語が進むにつれ、これはれっきとした「反戦映画」なのだと悟りました。涙なしには観れなかった。
 
今までもいくつかホロコーストを題材にした映画を観たけど、まったく毛色の違う映画!
ファンタジーと希望に溢れ、ユーモラスなコメディタッチで描きながらも、決して安易ではなくとても残酷で、普遍的なことをたくさん教えてくれる。
 
愛は目に見えない。
愛は痛い。
 
なにをしたか。
できることを。
 
この映画では、ナチス政権を崇拝し、ユダヤ人を"恐ろしい悪魔"として認識している少年が主人公。
何の疑いもなくナチス・ドイツを信じ、目の前に差し出されたウサギを躊躇なく殺すことが正しいと教えられている無垢な少年が、敵対する存在であるユダヤ人の少女エルサとの対話を通して自らの考えを少しずつ変えながら、恋を知り、愛を学び、壮絶な戦争時代を体験し成長していきます。

だんだん変わっていくジョジョの目線で描かれるから、観ている私たちの見え方も知らず知らずのうちに少しずつ変わっていくのがとても面白くて!✨
さりげないシーンが1つ1つ伏線としてちゃんと回収されていく…最初から最後までとても丁寧に描かれているなあ、という印象。
 


ジョジョ役の子はとんでもない演技力でもちろん素晴らしかったのですが、なんといっても、ジョジョの母親ロージーを演じたスカーレット・ヨハンソン!👏🏼

もう最高だった~ロージーが父親と母親の1人2役をしてジョジョに語り掛ける場面は、本当に名シーン。
 
そしてあのかわいい靴が何度も映る意味。
それを知ったとき、涙をこらえることが出来ませんでした。
 
サム・ロックウェルもよかったなあ…大人たちの愛情にただひたすらに泣けました。
なんといってもこの映画の最大のテーマは愛ですね。まがいなく。
 
 
 
愛は目に見えない。
人間の本質だって目に見えない。
 
じゃあどうするか。
 
 
「全てを経験せよ 美も恐怖も  生き続けよ 絶望が最後ではない」
 


映画を締めくくるリルケの詩。
心に響く、最高の映画でした!!

Ayako Matsuura

コロラトゥーラソプラノ松浦綾子のHPです 出演情報や演奏会レポートなど 気ままに綴っています

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